パザ日誌


2005年06月25日(土曜日)--すぎもと

シュトックハウゼン・イン・トキオ

天王洲アート・スフィア

東京は南品川、京浜急行青物横丁駅前徒歩5秒にあるホテル、東横イン南品川青物横町の314号室におります。部屋からLANに接続してブロードバンドにて更新です。かなり快適です。いつもターミナルからsftpコマンドにて更新するのですが、これも使える模様。「http(s)とメールのみ可能」みたいな書き方をしてあったので、ポート塞いであるのかと思ってましたが良かった。

さて、慢性的な睡眠不足の上、4時間弱寝ただけで早朝5時に自宅を出発。さすがにこの季節になると5時でもすっかり明るくて、本当に綺麗な朝日を見ながら車で東京へ向いました。といっても、実際には横浜に車を置いて、パーク・アンド・ライド方式を取ったのですが。車で東京方面へ来たのは初めてだったのですが、思ったより大変じゃなかったです。それにこれまた思ったより安くつきました。やっぱり軽自動車はお得ですな。京都南から乗って横浜町田まで7750円也。往復で新幹線片道くらいの値段じゃないですかね。ガソリン代も安いし。途中浜名湖と海老名のサーヴィスエリアで休憩しつつ、約7時間。ちょうどお昼に到着しました。

横浜町田インターで降りて、そのまま保土ヶ谷バイパスを通って環状2号へ。車を置いて、ゆっくり昼飯を頂いて、京急で東京入り。ホテルにチェックインしてから、散歩がてらに天王洲アイル方面へ向いました。そういえば、途中「ジョナサン」っていうお店があって、関西方面では見かけないのでちょいと寄ってみたかったのですが、時間がなかったので断念しました。噂では店員が皆、愛川欽也みたいだっていうのですけれど、確かめられませんでした。駐車場にハデなデコトラも停まってなかったし。騙されたかな(笑)。

思ったより天王洲アイルって人が居ないのですね。大阪でいうとWTCあたりな印象。それでも、カールハインツ・シュトックハウゼンのコンサートが行われるアートスフィアあたりは、だんだん人が集まって来ました。どっちかっていうとコンサートよりも芝居の上演が多そうなこの会場。そのせいか、今回の公演の案内時間にも「ソワレ」って書いてありました。

入場してまずチェックしたのはやっぱりCDです。シュトックハウゼンのCDはタワレコとかで買うにしても高すぎるんですよね。これは本当に困るんですよ。で、今回はシュトックハウゼン本人が来てるんだし、色々と間の業者みたいのを抜いて、直で持って来てるかもしれないと思って期待していたんですが、これがガックリ。ほとんどタワレコとかの値段そのままでして、買うのをやめました。

分ってはいたのですが、客席中央のコンソール前にシュトックハウゼンが居てびっくり! ををを、生シュトックハウゼンだ! と白い服を着たシュツックハウゼンに、手を合わせて拝みたくなりましたですよ(笑)。もうこれだけで感動。そして自分の席を探して着席。前から3列目の上手よりでした。前半のLICHT-BILDERは本当に素晴らしい演奏で、うっとりととろけそうになりました。あまりの素晴らしさで本当に気絶しそうになりました。ドラムをやり始めてから、シングルストロークしか叩かないドラマーの人の演奏を聴いていると――勿論それもありなのですが――本当のドラムという楽器の能力の何十分の一も損をしてるんじゃないかと思う事が多いのですが、こういう演奏を聴いていると、それはフルートやトランペットなんていう西洋音楽の楽器でも、ただオクターブを均等に12等分した音だけを使うっていうのが、もの凄く勿体ないような気がしたのでした。そして歌も同じです。ブレス・ノイズ――なにを『ノイズ』と感じるかって言う問題もありますが――とかが、こんなに美しい響きで鳴るのに、これを使わない手は無いじゃないか! と、こういう素晴らしい演奏を聴くと、ついそう思ってしまうのでした。

LICHT-BILDERのあまりの素晴らしさに、20分間の休憩時間に、つい高いCDを買ってしまいそうになりました(笑)。が、ここはぐっと我慢しました。いつか、通販で直接買ってやる! と誓ったのでした。

そして『コンタクテ』。今回の『コンタクテ』は電子楽器だけのヴァージョンだったので、スピーカーの位置も聴こえ方に影響すると思うのです。で、今回ボクが座った位置はあまり良くない位置だったんじゃないかなと思っていたのですが、それでも予想以上に素晴らしくて、真っ暗な中で目を閉じて聴いたので、これは絶対に寝てしまうに違いないと思っていたのですが、音に集中していたら眠くなる間もなく、あっというまに終わった感じがしました。個人的には、特にエンディングがグッと来ました。素晴らしかったです。

で、一番素晴らしかったんじゃないかと思うのはここからで、『コンタクテ』が終わってからの観客の拍手。もう鳴り止まない鳴り止まない。何度もシュトックハウゼンが客席中央からステージへ呼ばれました。初めは数人のスタンディング・オベーションだったのですが、最後にはほぼ全員が客席のシュトックハウゼンを丸く取り囲む様に大拍手。さながらロック・コンサートの様な状況でありまして、凄かったです。公演中、毎日こんな状況だったのでしょうかね。とにかく、はるばる東京まで来て本当に正解だったと思いました。


2005年06月21日(火曜日)----すぎもと

リズム音痴

マイケルジャクソンが無罪になった事に対して、「ほうら、やっぱりマイケルはやってないじゃんか!」みたいに言ってる人がいて、大爆笑してしまいます。無罪になった事と本当にやったかどうかなんて、別の問題だと思うんですけれどね。もし本当にやってたとしても、マイケルの音楽の素晴らしさに変わりはないでしょうに。

いやいや、歳をとったのか愚痴っぽくなってしまいますな。ついでにもうひとつ言わせて頂くと、数ヶ月前に某掲示板で菊地成孔さんのライヴの感想に、菊地さんの出すカウントが合ってなくて、「そのリズム感の悪さはありえない」なんて書いてる人がいて、これまた大爆笑でした。リズム感の悪い人が、Tipographicaなんてトンでもないポリリズムのバンドで演奏できまっかいな! あなたの4拍子が他の人にも4拍子とは限らないというのを学びましょう。わたしの1拍とあなたの1拍の長さが共通でなくても、同じ曲を演奏できるというのを体感してみましょう。デートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンのDVDを見ましょう。『構造1』でベースの栗原さんは基本的にずっと5拍子で弾いてますよ。オーディエンスは4拍子で踊ってるのに。これは栗原さんがリズム音痴なせいですかね?



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